松山の方より相続についてのご相談
2019年11月08日
Q:父が認知症なのですが、どのように相続手続きを進めればよいでしょうか。(松山)
先月松山の実家に暮らしていた母が他界し、相続の手続きを行おうとしています。相続財産は、松山にある一戸建てと預貯金が2000万円ほどあります。相続人は父と私の2人です。父は3年程前から認知症を発症しており、施設で暮らしています。父も相続人となることは分かっていますが、認知症の症状が重くなっており、署名や押印をすることが難しい状態です。このような状況ですが、どのように相続手続きを進めていけばよいでしょうか。(松山)
A:お父様の代理人となる成年後見人の選任を家庭裁判所にしてもらいましょう。
正当な代理権もなく認知症で判断能力がない方に代わって相続手続きに必要な署名や押印をする等の行為は、ご家族の方であっても適法な代理行為とはならず、原則として、ご本人の行為とならなくなってしまいますので、相続手続きを行いたい場合には法定後見制度を利用する方法があります。
法定後見制度は、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人が、認知症などにより判断力がない本人の利益を考慮し、財産管理をしたり相続などの法律行為をしたりすることを本人に代わって行うという本人を守る制度となります。
ご相談者様のお父様のように、相続人が認知症によって判断能力を欠いている状態の時に遺産分割協議を行うには、成年後見人を家庭裁判所によって相続人に代わって手続きを行う成年後見人を選任してもらうことが必須です。
成年後見人は家庭裁判所に民法で定められた一定の者が申立てをすることで、家庭裁判所が適切な人物を選任します。成年後見人に選任されるのは、親族の場合もありますし、複数の成年後見人が選任される場合や第三者である専門家が選任される場合もあります。なお、民法では、家庭裁判所から解任された法定代理人・保佐人・補助人・被後見人に対して訴訟を起こした者やその配偶者と直系血族・未成年者・行方不明者・破産者は成年後見人になることはできないと定められています。
なお、成年後見人が選任されると、遺産分割協議後も法定後見制度の利用が続くことになります。したがって、今回の相続のためだけではなく、その後のお父様が暮らしていくうえでも必要かを考慮し、法定後見制度を利用しましょう。
今回のご相談者様のように相続人の中に、認知症や障がいなどによって判断能力を欠いているのが通常の状態の方がいらっしゃる場合には、専門家に相続手続きをどのようにすすめたらよいか相談されることをおすすめします。松山相続遺言相談室では、家庭裁判所へのお手続きに際してもお力添えいたします。松山にお住まいのみなさま、相続に関するご相談ごとがございましたらお気軽に松山相続遺言相談室の無料相談へとお越しください。
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当相談室の代表 司法書士・行政書士 西森が「生前対策まるわかりBOOK」に愛媛・松山の専門家として紹介されました。