松山の方より相続についてのご相談
2020年06月11日
Q:遺産分割協議を行う前に、被相続人の預貯金の払い戻しはできるのでしょうか?(松山)
私は、松山に妻と二人で暮らしております。妻との間に子供が二人おりますが、二人とも独立して現在は松山市外に暮らしています。最近妻と相続について話すようになりました。もし、自分たちの相続が発生した場合、葬儀費用については現金での支払いが必要になるかと思います。葬儀費用については、私も妻も銀行に葬儀費用の支払いに十分な預金を用意してありますので、そこから支払ってもらうつもりです。
しかし、「遺産分割協議の前に亡くなった人の預金は、たとえ葬儀費用に必要な場合であっても相続人が払い戻すことはできない」という情報を耳にしました。子供たちは遺産分割協議を行う前に、葬儀費用として私たちの預貯金から現金の払い戻しをすることはできないのでしょうか。(松山)
A:遺産分割前でも一定の範囲内であれば、被相続人の預貯金を払い戻せるようになりました。
2019年7月1日から施行された民法改正により、預貯金ごとの一定の金額については、家庭裁判所の判断を必要とせずに各相続人が単独で、各金融機関から預貯金を払い戻すことが可能になりました。民法改正前は、被相続人の預貯金は遺産分割協議の対象財産となり、共同相続人による単独の払い戻しはできないとされていました。そのため、葬儀費用であっても遺産分割協議が終了するまでは相続人は預貯金の払い戻しができなかったため、葬儀費用を一旦立て替えて支払うという方法をとっていました。
民法改正により、払い戻し可能になった金額の計算式は、次のようになります。
相続開始時点の口座ごとの預貯金額×払戻しをする相続人の法定相続分×3分の1
ただし、一つの金融機関から払戻し可能な金額は150万円までとされています。一つの金融機関について150万円までであれば、ご相談者様が亡き後、お子様が単独で預金を払い戻すことができますので、葬儀費用を見積もった上で取引のある金融機関に準備しておけば、相続人は被相続人の預貯金から葬儀費用を支払うことができます。
尚、この単独で被相続人の預貯金の払戻しをした金額については、その払戻しを受けた相続人が遺産の一部の分割により取得したものとして扱われます。
松山相続遺言相談室では松山地域で上記のような相続に関するお悩みをサポートしています。松山近郊にお住まいの方で、相続や遺言書について少しでも不安がある方は当相談室へお気軽にお問合せください。初回は完全に無料でご相談をお伺いさせていただきます。松山の皆様、お気軽に初回の無料相談をご活用ください。
「生前対策まるわかりBOOK」に愛媛・松山の専門家として紹介されました
当相談室の代表 司法書士・行政書士 西森が「生前対策まるわかりBOOK」に愛媛・松山の専門家として紹介されました。