松山の方より頂いた相続(遺産分割)についてのご相談
2018年10月17日
Q:自分の相続分を他の相続人にあげることはできますか?(松山)
先日母が亡くなり、松山にある母の自宅と預貯金を兄弟3人で相続する事になりましたが、私は兄に全てを相続してもらいたいと思っています。父が早くに亡くなってから母はずっと松山で一人暮らしをしてきましたが、亡くなる前の数年は体が弱って一人暮らしが難しくなっていました。それでも本人の強い希望の一人暮らしを続けさせてあげたいと近くに住む兄夫婦が母の一人暮らしを支えてきました。私と弟は離れて暮らしていることもあり、なかなか手伝う事ができませんでした。なので、弟に兄に全てを相続してもらおうと提案したのですが、受け入れてもらえませんでした。せめてわたしの相続分だけでも兄に譲る事はできないでしょうか?(松山)
A:ご自身の相続分を他の相続人に譲渡することができます。
ご自身の相続分をそのままお兄様に譲渡することができます。もし弟様の同意があって二人とも相続放棄をすれば全ての相続財産をお兄様が受け取れるようになりますが、弟様がそれに同意をせずにご相談者様だけが相続放棄をした場合は、その財産はお兄様と弟様が2人で分け合う事になります。お兄様だけに譲りたいのであれば、相続分を譲渡するという方法を検討することをおすすめします。
お兄様夫婦が長年お母様の介護をなさっていたということでしたら、お兄様が遺産分割協議の際に寄与分を主張し相続分を増やすことも考えられます。寄与分とは、被相続人の生前に、その財産の維持や増加(あるいは減少する事を防ぐこと)に影響するような貢献をした相続人がいる場合、他の相続人との間の不公平を是正するために設けられた制度です。 寄与分は相続人全員の同意で決めなければいけません。同意を得られなかった場合は、寄与分を主張する人が家庭裁判所に申立てをして解決を図ることになります。
裁判で認められるのは、夫婦間の協力扶助義務や親族の扶養義務など、被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待されるような程度を超えた貢献があった場合です。親族が、単に被相続人の通院の付き添いをしたにすぎない場合や、被相続人の事業を手伝ったにすぎない場合は、認められません。裁判において、「特別の寄与」があったと認められたのは、長年にわたり被相続人の事業の手伝いをし事業の発展に大きく貢献した場合や、介護サービスを受けるかわりに家でつきっきりで生活の面倒を見ていた場合等です。
今回のご相談のケースでは、お兄様が寄与分を主張するか、弟様が同意するかなど問題も含んでいます。
松山相続遺言相談室では、相続手続きの経験豊富な司法書士、行政書士がご相談に対応させていただいています。相続問題でお悩みの方はぜひ初回無料相談の窓口までお電話ください。
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当相談室の代表 司法書士・行政書士 西森が「生前対策まるわかりBOOK」に愛媛・松山の専門家として紹介されました。